日本の森林は約2500万ha(内、約4割が人工林)です。国土面積に占める森林割合は約7割(世界平均は約3割)と、世界有数の森林大国なのですが、木材の自給率は約2割、林業就業者数は約6万人と人口の約0.09%に過ぎません。
かつて日本においては、戦中戦後に大規模な森林伐採が行われたため1940年代から1960年代前後にかけて大規模かつ積極的な造林が行われました。
一方で、1950年代に段階的に実施された木材の輸入自由化や円高等により国産木材の需要と価格は大幅に低下し、日本の林業の採算性が大幅に悪化しました。その結果、森林整備のための補助金等の制度や森林所有者、林業経営者、森林組合、NPO、ボランティア、政府地方自治体、民間企業のCSR活動等による資金援助等々、多くの人や組織の努力にもかかわらず、間伐等の手入れや伐採後の再造林を放棄するなど荒廃する森林が増加しています。
そのため、日本の森林が本来有しており、直接または間接的に日本の全ての人々の生命や生活に欠かせない下記のような多面的で公的な機能が低下し、充分に発揮できない状況が進んでいます。
最近の地球温暖化や環境破壊等による地球規模の気候変動や、局地的な集中豪雨や干ばつ等による災害や被害が多発している中、今まで以上に森林の整備や保全がとても重要な課題となっています。
生物多様性の保全や生態系維持、CO2吸収量の吸収源としての機能や木質バイオマス活用によるCO2排出量削減等の、木材生産以外の多くの機能を発揮することが日本の森林に求められています。
森林機能を維持していくためには、間伐等森林整備の推進を可及的速やかに行う必要があるのです。持続的な森林整備(間伐、枝打ち、下刈り等)は、前述の森林機能の水源涵養機能や災害防止機能を強化維持し、さらには地球温暖化の要因となっているCO2吸収量を増やし、また、森林や里山の生物多様性の保全に繋がります。
そのため、森林が有する森林吸収源としての機能や生物多様性保全の機能を価値化して、それらをCO2クレジットとして、企業や国民の皆様方に購入利用頂き地球温暖化防止に貢献頂きつつ、それらの販売収益を林業従事者経由にて森林に森林整備として返していくことが必要なのです。 これらの取り組みにより、森林機能が改善回復していくだけではなく、森林管理者の意欲や雇用の拡大、山村や地域の活性化につながり、日本の美しい森林と生態系を守っていくことにつながっていきます。
当協会は、フォレストック認定制度の運営管理を通じて、企業や個人が日本の森林や環境保全の担い手として参加可能な仕組みを提供し、森林整備保全の推進をサポートすることで、日本の森林が有する機能の維持拡大と、日本の森を通じて地球温暖化防止と地球規模の生物多様性保全に取組んでいきます。
フォレストック認定制度は、「フォレストック認定制度規定集」に従った制度全般の公正な運用及び「森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準」に従った森林の管理・経営レベル、生物多様性の保全レベル、森林吸収源(CO2吸収量クレジット)の適正な調査手法及びそれに基づく森林の評価を根幹としています。
フォレストック協会は、フォレストック認定制度の理念及び趣旨、制度運営者(フォレストック協会)の役割及びその他制度運営関係者の役割、制度運営・管理・経費に関する基本的事項を定めるものとして、「フォレストック認定制度規定集」及び「フォレストック認定制度用語定義集」を策定しています。
認定取得者、森林認証機関、審査機関、CO2吸収量クレジットの販売総代理店及び販売代理店等の制度関係者は、これらの規定に従うことが義務づけられます。
フォレストック認定制度では、森林の認定及びフォレストック取得後のモニタリングにおいて、専門的な調査能力を有する森林認証機関が、 「森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準」に従って、「生物多様性の評価」及び「森林の管理・経営の評価」を採点し、 さらに森林吸収源(CO2吸収量)の算定を行います。 なお、フォレストック認定は、「生物多様性の評価」及び「森林の管理・経営の評価」が私有林の平均とみなされる50点以上の森林のみを対象になされることになっています。
※平成23年10月改定版評価基準にて上記3資料を統合
生物多様性の調査は、一定地点数以上(地形条件・標高差などできるだけ多様な地点)の植生・土壌等の現地調査に加え、受光伐の実施状況の調査、シカ食害の調査及び野生生物のフィールドサインの調査(現地調査)、関係者への聞き取り調査等の手法により行われます。
生物多様性の評価は、上記の調査結果を踏まえ、「生物多様性・水土保全面の定性評価指標(チェックリスト)」(15項目)に、植生・土壌等数値化できる「生物多様性主要定量指標」(5項目:相対照度、植物種数、植生被度、AO層の厚さ、土壌A層の厚さ)を用いて総合的に評価します。生物多様性の評価については、今後のフォレストック協会の知見の集積ならびに環境省等が提示する指針や有識者・調査審査実務者等からの意見等に基づき更なる改善に努める予定です。
森林の管理・経営の調査は、伐採届、地拵・新植・下刈り・枝打ち・除伐等の事業量が確認できる資料、森林経営計画、収穫予想表等の書類の分析及び施業担当者に対するヒアリング並びに対象森林の現地調査等の手法により行われます。
森林の管理・経営の評価は、上記の調査結果を踏まえ、「森林の管理・経営の定性評価指標(チェックリスト)」(12項目)に、 「林況主要定量指標」(5項目:本数密度指数、形状比、枯損木率、樹冠長率、最大・最小直径比)を用いて総合的に評価します。 これらの評価においては、対象とする森林に於いて森林吸収源が増加し、かつ、持続的経営がなされること、及び生物多様性を前提とした経営管理がなされているかどうかが重要視されます。
森林のCO2吸収量クレジットの算定については、国内における地球温暖化対策のための排出削減・吸収量認証制度(Jクレジット制度)の「森林管理プロジェクト」における「モニタリング・算定規定(森林管理プロジェクト用)」等を参考にして、次の2方法を採用しています。
1. 市町村森林整備計画、森林経営計画、森林計画(施業)図及び森林簿等により確認した対象森林を基礎として立木材積成長量を把握する方法で、炭素量の算定式等はJクレジットと同じとして算定する方法。
2. Jクレジットの算定方法に同じです。立木材積成長量をモニタリング調査のプロットを樹種別に30haごとに調査して算定する方法。
CO2吸収量クレジットの算出に際しては、認定調査時に「主伐予定量申告書」により森林所有者が申告する、認定後1年間における樹種別、齢級別、面積別の主伐予定量に従い、主伐によるCO2排出数量及び更新によるCO2吸収数量を加算減算し、認定初年度のCO2吸収量クレジットを算出することとします。
フォレストック認定制度では、正確性・論理性・専門性・中立性・第三者性等を確保するため、フォレストック協会が認める「森林認証機関」によるフォレストック認定のための調査及び同報告書・証明書の作成、フォレストック協会への提出及びモニタリング時の調査及び同報告書の作成が義務付けられています。また、同様にフォレストック協会が認める「審査機関」による審査・検証認定書の発行が義務付けられています。
フォレストック協会では、現在以下の森林認証機関及び審査機関を認めています。
森林認証審査室
http://www.jafta.or.jp/
〒102-0085 東京都千代田区六番町7番地
TEL: 03-3261-5281
FAX: 03-3261-5393
http://www.amita-net.co.jp/
〒102-0073 東京都千代田区九段北三丁目2番4号
TEL: 03-5215-8326
FAX: 03-5215-3040
(※旧株式会社アミタ環境認証研究所 2015年4月1日よりアミタ株式会社に吸収合併)
http://www.re-forest.com/
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-3-5 2F
TEL: 03-6272-3106
FAX: 03-6272-3226
https://www.kensetsukankyo.co.jp/index.html
〒170-0013 東京都豊島区東池袋2-23-2
TEL: 03-3988-2643
FAX: 03-3988-2158
https://www.kankyou-keisoku.co.jp/
〒612-8419 京都市伏見区竹田北三ツ杭町84番地
TEL: 075-643-0341
FAX: 075-644-0645
https://home.kpmg.com/jp/ja/home/about/sus.html
〒100-0004 東京都千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー
TEL: 03-3548-5303
https://bisus.jp/
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館本館6階
TEL: 03-6272-5418
フォレストック認定制度において、森林の調査を行う森林認証機関は、現在のところFSC、SGECの認定審査機関又は審査員で、 既に森林認証を行っている機関、若しくは「生物多様性」「森林の管理・経営」「森林吸収源(CO2吸収量)」のいずれかに関する調査及び評価等に関し実績が認められ、信頼性が高く、フォレストック協会が基準に基づき適切と認めた先としています。
フォレストック認定取得に関する
情報を提供しています。
クレジット購入方法、活用方法に関する
情報を提供しています。