フォレストック認定制度とは適切に管理された森林から創出されるCO2吸収量を認証しクレジットとして発行する制度です。

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認定森林

エコ計画の森林

上州の水源・烏川源流を守る「エコのコエ」が聞こえる森

森林の概要

森林所在地

群馬県高崎市倉渕町

森林所有者

株式会社エコ計画

認定対象面積

948.32ha

沿革

群馬県の西部に位置する高崎市倉渕町は、総面積127.3km2ha、総人口4,683人(2006年1月末)であった倉渕村が2006年1月23日に多野郡新町、群馬郡群馬町・箕郷町と共に高崎市へ編入された自治体である。倉渕町は烏川の上流域も位置しており、烏川上流域の気候は、内陸性の気候であり積雪も少なく、年平均気温14℃と比較的温暖な内陸性の気候である。年間降水量は1,600mm前後であり、多雨である榛名山の南斜面が流域に含まれるため、群馬県の平均降水量よりやや多くなっている。対象森林が存在する高崎市倉渕町は、古くから中山道の裏街道として栄え、森林面積率が85%以上であることから地域の主産業は林業および中山間地農業であった。

林業の歴史として、倉渕地域においてケヤキを伐採して江戸城に運んだ記録が残されている。その記録は「川浦山御用木御伐出絵図」として、高崎市指定重要文化財に指定(1990年)されている。株式会社エコ計画は、当該森林を2008年に取得しており、現在はエコ計画社から烏川流域森林組合に森林経営計画と森林施業計画、およびそれらに則した施業等を委託することで森林管理がなされている。

森林・管理等の概要

対象地は関東地方内陸部に位置する山間地に分布しており烏川上流域でもある。いずれの山林も斜面勾配が急峻な地形が多い。倉渕町は、利根川支流の烏川流域に位置し、長野県北佐久郡に接する最上流域にあり、鼻曲山(標高1654m)と浅間隠山(標高1757m)との間の峠を分水嶺とした山塊を有する。また烏川流域は、浅間山(標高2542m)の火山噴出物に覆われ、軽石・スコリアから形成されており土壌の透水性は高い。緩斜面の土壌は、火山灰由来の黒ボク土で、約50cm以上の堆積層となっている。

フォレストック認定対象森林面積は948.32ha(除地を除くと947.33ha)であり、そのうちスギ林が13.4%、ヒノキ林が7.5%、カラマツ林が11.8%である。
森林所有者はエコ計画社であり、そのうちの804.41 haはエコ計画社が、残る地域は分収造林地で独立行政法人森林総合研究所森林整備センターが143.91 ha を管理している。なお全林分が水源かん養保安林かつ保健保安林に指定されている。 対象森林の施業管理の実務は、烏川流域森林組合と受委託契約を結び施業業務委託されている。森林経営計画の作成は、烏川流域森林組合によって策定されている。

CO2吸収量クレジットの算定量
2年度 算定 2,310t-CO2
初年度 確定 2,310t-CO2
概要説明

CO2吸収量の算定においては、認定対象面積948.32 ha のうち、未立木地0.99haを除く、 947.33haを対象とした。また、認定対象地には独立行政法人森林総合研究所森林整備センター(旧 独立行政法人緑資源機構)と分収契約を結んでいる林地がある。分収林面積は、143.91ha(うち未立木地0.94ha)であり、分収割合は5:5である。分収林における年間炭素・二酸化炭素吸収総量は、幹材積成長量を分収割合により案分することとする。

幹材積成長量は森林資源調査等から判断し、群馬県林務部作成の「群馬県民有林 人工林収穫予想表 人工林林分材積表(昭和63年3月)」よりスギは地位級Ⅴ、ヒノキは地位級Ⅲ、カラマツは地位級Ⅴと判断され、haあたりの材積から5年間の定期平均成長量を計算し、それに面積を乗じて算出した。広葉樹天然林においても同様の収穫表を用いて地位級Ⅴとし、人工林と同様に算出した。拡大係数は人工林スギ、ヒノキ、カラマツには、それぞれスギ、ヒノキ、カラマツの拡大係数を、広葉樹林には広葉樹その他3の拡大係数を用いた。

生物多様性の評価

概要説明

森林施業計画でも配置条件を考慮するなどして多様性が重視されている。毎年継続して搬出間伐、保育間伐、主伐が実施されている。県道54号周辺には高齢のスギ林が沿道を縁取り、高標高域にはカラマツ林が分布している。またこれらの人工林の林縁部および急斜面にはミズナラ、シデ類、ミズキなどの広葉樹林が分布している。針葉樹、広葉樹がモザイク状に配置され、遠景・近景ともに優れた景観を提供するとともに、多様な植物相によって生物多様性が維持されている。

写真・地図

  • 樹齢の高い林分において間伐が進み適度な開空度が保持されている傾向がみられた。

  • 調査地点内のみでも標高差が500m以上あり、多様な林分景観を形成していた。

  • 渓流の河畔帯植生が良好に維持されており、十分な日光が届いていた。

  • 土壌は主に火山灰由来の黒ボク土であり、A0層が厚く保水力が高いとみられる。

  • 標高1300mを超えるカラマツ林ではササに覆われている林床が多くみられた。

  • ニホンジカ、カモシカ、ツキノワグマ、などの哺乳類の痕跡もみられた。

  • 根張りが良く、胸高直径が50㎝を超える立木もみられた。

  • 標高約1200m地点のミズナラ林。高木層、亜高木層、低木層が発達していた。

写真・地図

認定期間

2022.11.1 ~ 2027.10.31

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